東大観世の日々

能楽サークルって何をやっているのでしょう

能とタルチュム

初めて能を見た時は、
まるでベートベンの後期弦楽四重奏を聴いてるような気分でした。
特に、op.130の、かの有名な大プーガが思い浮かびました。
それぞれの楽器が全然違う音域で演奏され、まったくといっていいほど統一性が保たれてないように見えつつも、よくよく何度も繰り返して聴いているうちに、不思議と統一感が感じられる、そんな曲で、当時一般の聴衆にまったく受け入れてもらえなかったようです。

この、不調和の中の調和という、カオスの中のコスモス、つまりカオスモスのことを考える際、私は韓国のタルチュムのことを思い出します。私が初めて能を見た時感じた、あの不思議なカオスモスの世界の感覚と非常に似ているような感覚を、タルチュムは持っているからであります。

実は、能とタルチュム、まったく違うように見えても、その母体芸能から考える時、共通する点が発見されます。それは中国から韓半島を経由し、あるいは中国より直接日本に流入された伎楽・散楽などの存在です。つまり、能もタルチュムも、伎楽や散楽といった共通する母体芸能を持っていて、私が能を見た時、タルチュムを見た時と似ているような感覚を覚えたのは、まさにそのためかもしれません。

こうみてみると、能は日本の伝統芸能であるからといって閉鎖的な面を持っているのではなく、実は非常に国際的な面を隠れ持っていると私なんかは考えています。韓国ではタルチュムフェスティバルが毎年開催されるのですが、その時何故か日本の能が演じられるのは、決して偶然だとは思わないのです。因みに去年は観世銕之丞さんが韓国にいらっしゃって能を演じてくれました。

by Noh
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コメント


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鷹倉さん、コメントどうもありがとうございました。タルチュムの舞は、私の知っている限り、まず上下運動をする舞があり、広い意味での円環運動を描く舞があります。ただ、正確には円環運動というより、無作為に発散されるような舞であって、「円環」するとは言いがたいですね。

Noh | URL | 2006-09-02(Sat)04:25 [編集]


ノウさん、書き込みありがとうございました。なるほど、タルチュムにも伎楽や散楽が流れ込んでいるのですね。お互いのことをもっとよく知らないといけません。そこでお聞きしたいのですが、タルチュムもやはり、舞なのでしょうか。いわゆる上下運動をする踊りではなく、円環運動を描くという意味での、舞です。

鷹倉健。 | URL | 2006-08-04(Fri)23:26 [編集]