東大観世の日々

能楽サークルって何をやっているのでしょう

2015年度自演会 経正を終えて

19日に当会最大のイベントともいえる2015年度東京大学観世会・東大観世OB会合同自演会が終わりました。
来ていただいた皆様、誠にありがとうございます。

私は学生能「経正」のシテを無事終えることができました。
入りたかったオーケストラに入れず、新しいことをはじめようとして門をたたいたお能。
1年生のときからワキツレ、ワキ、ワキ、地謡としてありがたくも毎回学生能に携わらせていただき、
今年も学生能に関われたらと思っていた折、後輩から「シテやりませんか」とのお誘いが。
高学年のためでしゃばりすぎか、とも思いましたが、社会人になってからではそのような機会があるかもわかりませんし、なにより学生として皆とすてきな思い出がつくりたい、大好きな先生から今、シテとして稽古を受けたいという思いが募り、やらせていただく運びとなりました。

修羅能が好きだったため2番目物から選ぶことにし、その中でも優美かつキリは激しい、またすっきりした構成をしていて気に入った「経正」を選びました。ちなみに経正は1992年度自演会以後、当会では演じられておりませんでした。
ワキ、お囃子、地謡もOBOG、また現役のみなさまが快く引き受けてくださり、謡から稽古がはじまりました。
経正は現役部員にもかなりなじみがある曲でしたので謡自体は早い段階で皆が覚えていました。「覚えてからが稽古」がしっかりと実践できたと思います。

シテ稽古は9月からはじまり(型付は7月頃いただいておりました)、9月の合宿ではじめてすべて通しました。あのときは能面をかけるのがはじめてで、しかもその舞台も周りが池だったため、かなりおどおどとハコビをしていたことを思い出します。
シテ稽古では祥丸先生の謡と舞にほれぼれしながら言われたことをやろうと必死になってくらいつきました。先生も本当に丁寧に教えてくださいました。
ワキ、お囃子、地謡の皆で柏蔭舎やコミプラで合わせることも、皆様のご協力のおかげで月2回ほど設定させていただきました。
皆での稽古のときは舞台に対して思ったことを言い合ったり、終わってから雑談して笑いあったり、楽しい時間でした。

12月に入ると、日々あっという間に過ぎ、気づけば申し合わせ、本番でした。
鏡の間で面をかけた際、鏡に映る自分の姿、経正に対して語りかけていました。
「どういう思いでここに来たのか」「何を伝えに来たのか」と。
不思議な気分でした。幕をでてからは無我夢中でしたが、本番は落ち着いて経正の青山またこの世への思いをわずかですが謡と舞にのせられたかなと思います。
祥六先生も見ていてくださりお褒めの言葉をいただきました。4年半ほどの自身の結果を見ていただけて本当によかったです。また家族もはじめて自演会に来ることができ、少し成長した姿を見せられたかなと思います。見所で見ていた方からもアンケート含め様々お褒めの言葉を頂いたり、最初は緊張してたみたいだけどだんだん気持ちが乗っていったね、と言われたりしました。

入学した当初から考えれば夢にも思わなかった経験をさせていただきました。
これもすべて、先生方、OBOG、現役の皆、見に来てくださった方々の支えあってのものです。
自分自身、本当に人に恵まれていると感じます。
すてきな方々が周りにいたからこそ、能をこうして続けられ、成長できました。
次は自分がより誰かを支えられる人間に、能のすばらしさを伝えられる人間に成長していこうと決意しております。
それではまたどこかで。

真鍋拓馬
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