東大観世の日々

能楽サークルって何をやっているのでしょう

自演会を振り返って

早いもので自演会が終わってもう3日が経ちます何だかずっと前のことのように感じます。終わるとあっけないものですね

今回の自演会では、能『箙』のシテという大役を務めさせて頂きました。何とか無事に務め上げることができたのも、先生を始め、OBの方々や他大学の人、ご来場いただいた多くの方々、そして何よりも東大観世会員のみんなの支えがあったからこそです。


せっかくなので記憶が薄れないうちに、今回の能について簡単に振り返っていきたいと思います

前場…シテは動きはほとんど無く、謡が最大の見せ場となります。舞に関しては少ない分、運足の一つ一つや差し込み開き一つでも観客を惹きつけられるように、もう一度基本から返って練習してきました。また謡は、もともと得意ではなかったこともあり、細かく技巧を凝らすよりは、とにかく力強く謡うことを意識して練習してきました。
本番ですが、出番の直前に鏡の間にて先生より、「何も考えずにとにかく楽しんできなさい」と言われました。ありきたりの言葉かもしれませんが、そのお言葉のおかげで緊張がだいぶ解けたのを覚えています。
とにかく役になりきることだけを念じて、語りの場面でも本当にワキに語って聞かせるような気持ちで演じることができ、前場に関しては適度な緊張感をもって十分に舞台を楽しむことができたように思います。
後からビデオなどで振り返って見てみると音程が不安定になってしまったところもあるなど、未熟な点も多くありましたが、舞台後に多くの方から好評を頂いたことは素直にうれしかったです。

後場…申し合わせと同様、出番の直前まで着付けをしていましたが、それがかえって良かったように思います。幕の前に立ったのは、「おま~く」と言うほんの数秒前でした。
後場の最中は、ひたすら無我夢中になって舞ったのでほとんど何も覚えていません。
前場が終わった時点でも、装束で締め付けられるのと舞台が思ったよりも暑かったのとで、汗がびっしょりでしたが、後場が終わって橋掛かりから帰って行くときには更に汗をかき、体力も限界でした(見所に息の切れる声が聞こえないように必死に抑えながら帰っていきました…)。
しかしやがて幕の中に入って全てが終わり、面を取っていただいたときには、「もうこれで終わりなのか…」と何だか寂しい気がしました。ほんと、何事も終わってしまうと実にあっけないものですね。


今年は地謡陣や囃子方がとてもうまく盛り立ててくれ、また、ワキやアイも実に手堅く務め上げてくれて、これ以上ないと言っていいほど恵まれた中でシテを務めることができたというのは、とても幸運なことだと思います。
能のシテを務めた後の充実感・達成感、みんなで一つのものを作り上げた喜びというのは、何物にも代えがたいものです。また今回、能の裏側をほんの少しだけ垣間見て思ったこととして、能楽師というのは想像していた以上に大変なんだなぁということです。舞台の上で装束をつけて舞うこともものすごく大変であるということが分かりましたし、それ以上に、装束や面の取り扱いや管理にいかに気を使われているのか、また、装束の着付がいかに大変なもので、それをいかに当たり前のようにこなされているかなど、普段見所から見ているだけではわからない多くの発見がありました。
まだまだ浅はかではありますが、今回の経験を通して、能に対する見方・向かい合い方がほんの少しだけ変わったような気がします。

今年このように表舞台に立たせて頂いた分、今後はこの貴重な経験を来年以降の人にしっかりと伝えていくなど、少しでも恩返しをしていければと思います。


今年度自演会は、このように無事に終了することができました。自演会の成功を支えてくださった全ての方に、改めて感謝申し上げますm(__)m

かわた
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